2014年10月19日 一覧

非破壊検査は様々な分野で活用されています

非破壊検査とは、建造物や出来上がった商品などの内部や表面の状態を、破壊することなく調べることが出来る検査方法です。
物体に超音波や電流などを流して内部の亀裂や劣化を調べたり、表面の目に見えないキズを調べることが出来るため、商品では出荷前に不良品のチェックが可能ですし、老朽化した建物ならどのあたりが傷んできているのかを詳しく調べることが出来ます。
昔はハンマーで軽くたたいて音で内部の変化を確認する方法が最もポピュラーだったようですが、叩くだけではどのような劣化が進んでいるのかがわかりませんし、叩いたことによりコンクリートなどが剥離する恐れもあるため、決して良い検査方法とは言えませんでした。
今でも叩いて調べる検査は行われていますが、それだけではやはり不十分だと言えるでしょう。
高度経済成長期に建設されたビルや高速道路など、コンクリート製の建造物の劣化が深刻な社会問題になりつつありますが、そういった場所でも非破壊検査は活用されており、事故などが起きる前に悪い場所を特定出るため現在の技術の中では最も優れた検査方法かもしれません。
最近では建物や物体の検査以外にも利用されることが増えて来ており、農業などでも利用が進んでいます。

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例えば、果物の中がどのような状態になっているかとか、熟して出荷が可能かなどの検査にも非破壊検査は活用されています。
特に果物などの果実の糖度検査には非常に大きな力を発揮するようで、今までは果実を切ったりして糖度の測定を行わなければいけなかったのが、非破壊検査により果実を傷つけることなく糖度を測ることが可能になりました。
これを上手く利用すれば熟れていないものや糖度が低い物を選別することも可能になりますから、効率よく果実の選別が可能になるわけです。
漁業においても、魚の内部に異物が無いかを調べることが出来るので、出荷後に釣り針が混入していたなどの事故も防げます。
非破壊検査とは、農業や建設業だけでなく様々な分野でこれから活用されていく検査方法だと思います。